メインフレーム
速さを追求するためにシャシー(車体)は、金属製のパイプを曲げて溶接した簡素なパイプフレームです。
これをメインフレームと呼び、走るために必要なもの以外を省いた軽量でコンパクトな設計になっています。
サスペンションを持たない代わりにシャシー自体がしなり、タイヤを路面へ適切に接触させ、驚異的なコーナリング性能を実現させています。
このメインフレームに様々なパーツが取り付けられて完成するのがレーシングカートになります。
取り付けられているパーツは大きく分けて10点、フロントスポイラー・サイドボックス・リアバンパー・シート・アクセルペダル・ブレーキペダル・ハンドル・タイヤ・エンジン・ノイズボックス。
必要最低限のパーツだけで組み上げらています。
主なパーツの役割
メインフレームに取り付けられた主なパーツには、それぞれ役割があります。
- 01.フロントカウル
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前からの衝突時の衝撃を吸収します。
また、空気の流れをコントロールする空力面でも重要なパーツです。
前方のカートへの追突ペナルティー(プッシング)の確認用のブラケットが必備のレースが多い。
また、一部のメーカーでは、フロントパネルとセットでダウンフォースを発生させる形状に進化しています。
カラーリングなどで個性を発揮できるポイントでもあります。 - 02.タイヤ・ホイール
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内径5インチのチューブレスタイヤを使用。
各レースのレギュレーションによりグリップとライフのバランスが最適な銘柄が指定されています。
基本的には同一メーカー、同一銘柄のタイヤのタイヤワンメイクでのレースが行われています。
空気圧の設定はセッティングの中でもとりわけ重要なセッティング要素です。
ホイールはアルミ、マグネシウム製など。
ドライタイヤ用、レインタイヤ用などに、大きく3種類のサイズ(リム幅)があります。
材質や形状により温感と冷感の内圧の変化を抑えたり、タイヤの温度上昇を防ぐ工夫が施されています。
また、ホイールの硬度や重さも、セッティング要素です。 - 03.サイドボックス
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横からの衝撃の吸収とタイヤの乗り上げを防ぐパーツであり、カラーリングなどで個性を発揮できます。
- 04.リアバンパー
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安全面を考慮し、大型スポイラー装着されています。
カラーリングも可能です。 - 05.アクセルペダル
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右足で操作し、キャブレターの開度を調節。
コーナリングにおいて仕上げの操作がこのアクセル操作です。加速Gや振動の大きい過酷な走行中においても常に正確な操作が要求されます。
ペダルの遠近だけでなく、高さや角度を微調整しドライバーに最適なペダルポジションを作ります。 - 06.ブレーキペダル
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左足で操作し、リアタイヤのみに作用します。
コーナーリングにおいて、初めの操作がこのブレーキ操作です。
ブレーキ操作(ブレーキング)はカート操作の中で最も重要な操作で、ブレーキングの良し悪しで、ラップタイムからレース結果まで全ての結果が決まると言っても過言ではありません。
ペダルの遠近や高さや角度に加え、ドライバーの踏力も鑑みてセッティングを行います。 - 07.ハンドル(ステアリング)
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円形以外にも様々な形状があり、中央にデータロガーのパネルを装着する仕様になっています。
最近ではD型のステアリングが主流です。
ステアリング操作はブレーキやアクセルと異なり、走行中は常に微調整を行います。
カートはサスペンションが無く、路面の影響をダイレクトに受けるため、走行中は常にカートの姿勢維持を行う必要があるからです。
遠近だけでなく、角度も微調整しドライバーに最適なポジションを作ります。
腕力の弱いジュニアドライバー向けにステアリング操作を補助するパーツもあります。 - 08.シート
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シートベルト無しで身体を支える構造。
シートはとても固く、コーナリング中に強烈な横Gを受けて脇腹を強くに押し付けられるため、脇腹を守るリブプロテクターが必要になります。
ドライバーのポジション(シートポジション)はセッティングの中で最も重要な要素です。
カート全体の中で一番重いものはドライバーであり、シートポジションはカート全体の重心に大きく影響します。
また、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作を行う上でも要でもあります。
シートはカート全体の剛性に影響があるため、さまざまな材質や形状の物があります。
またドライバーも怪我防止のためのシートパットを貼り、リブプロテクターと合わせて使うことでより安全に走行できます。 - 09.ガソリンタンク
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ハンドルの下に配置されています。
通常はジュニア用カートには4リットル前後、大人用には8リットル前後のタンクが標準で装備されています。
カートレースには最低重量が決められているため、スタート前の微調整はガソリンの増減で行います。 - 10.ノイズボックス(吸気ボックス)
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吸気時の音量を軽減させる。
現在では多くのカートレースで、レギュレーションで指定されたノイズボックスを使用しています。 - 11.エンジン
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2サイクルが主流で、40cc~250ccまで様々。
日本ではYAMAHA発動機製の2ストローク100cc空冷のエンジンが主流です。
初心者から上級者まで全てのカートユーザーが楽しめるエンジンです。
その他、ROTAX社製の2ストローク125cc水冷エンジンでのレースも盛んに行われています。
どのエンジンを選択するかは、予算、活動地域、目標を軸に選択する必要があります。